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サムライ達の挑戦_第1回*宮市 亮* [ダイジェスト特別版]

[サッカー][目] [耳]
世界で戦う“日本人”をクローズアップ その軌跡を追い、可能性に迫る...
*ついに踏み出した18歳の第1歩*
世界の舞台で戦う日本人の挑戦に迫る新連載。記念すべき第1回で取り上げる“サムライ”は、紆余曲折の末、ついにアーセナルでの第1歩を印した宮市亮だ。デビューまでの経緯を振り返りながら、18歳の可能性を探る。
[宮市亮(みやいち・りょう):1992年12月14日生まれ、愛知県岡崎市出身。中京大中京高校から、日本のプロクラブを経ずに2010年12月、イングランドの名門アーセナルと契約した超逸材。快足を活かしたドリブルが持ち味のウイングで、近未来の主力としてアーセナルのヴェンゲル監督もその才能に大きな期待を寄せている。高校2年の09年にUー17ワールドカップに出場。ブラジル・ワールドカップ予選を戦うA代表への招集が期待されている。身長1㍍83㌢・体重71㌔。]

[ ヴェンゲルが自ら足を運び ]
【「夢だったエミレーツ・スタジアムでプレーできました。内容には満足していないけれど、まずはスタートラインに立てた。ここからがスタートです」
 18歳の宮市亮が、アーセナルで記念すべき第1歩を印した。シュルーズベリー(FL2=実質4部)を本拠地エミレーツに迎えたカーリングカップ3回戦。この試合でベンチに入った宮市は、72分、韓国代表のキャプテンでFWのパク・ジュヨンとの交代で念願の舞台に立った。サポーターから、「リィーオー(リョウ)、リィーオー」の大声援が上がり、スタジアム中が沸いた。ただ、当人はそれが耳に入らないほど緊張していたという。
 ファーストタッチは出場から3分後。4ー2ー3ー1の2列目左サイドに入った宮市は、センターライン手前でパスを受けると、スピードを活かした得意のドリブルでペナルティーエリアまでボールを運んだ。「自分の持ち味であるドリブルを見せないといけないな、と。仕掛けることを考えていました」とは、試合後の本人の弁だ。
 ゴールに絡む活躍は出来なかった。だが、アーセナルで新たなキャリアをスタートさせたその事実が、大きな意味を持つモノだった。
「ここに立つまで時間がかかった」
 本人が語るように、2011年1月の入団発表から公式戦デビューまで、実に8カ月半という長い時間がかかった。宮市が直面した最大の壁が、英国の労働ビザの問題だった。ホームオフィス(英国内務省)はサッカー選手へのビザ発給に関して明確な基準を設けており、EUのパスポートを持たない選手は、「直近2年間の国際Aマッチに75㌫以上出場しなければならない」。宮市はこの条件を満たせず、労働ビザを取得できなかったのだ。ビザがなければリザーブリーグの試合にも出場できないため、アーセナルをいわば素通りしてフェイエノールト・ロッテルダムへとレンタルで移籍。オランダで武者修行をすることになったのだった。ただ、レギュラーとして12試合に出場し、3ゴールの活躍を見せたエールディビジでの半年間は、結果的に極めて有益な半年間となった。
 オランダでの成長ぶりに手応えを感じたアーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督は、今シーズンから宮市をチームに呼び戻すことを明言し、ビザ発給に手を尽くした。自ら関係各所に当たり、宮市の優れた才能を力説した。この指揮官の働きかけが功を奏し、宮市は「特別な才能を有する若手選手」として認められ、特例で労働ビザの発給が決定。晴れてアーセナルの一員となったのだった。
「プレーのクオリティー、スピード、試合や練習に取り組む姿勢。宮市には非常に良い印象を持っている。試合の流れを素早く読み取る力があり、闘争心も兼ね備える。右サイドにウォルコット、左サイドに宮市を置けば、あらゆるディフェンスを震え上がらせることができる」
 多少のリップサービスが含まれているとはいえ、若手の発掘・育成に定評のあるヴェンゲル監督の「宮市評」は驚くほど高い。その一方でフランス人指揮官は、
まずは彼に時間を与えたい。素晴らしい選手であることは確かだが、過剰なプレッシャーをかけるべきではない。一歩一歩成長して行って欲しいので、余り急がせたくない
 とも話し、即戦力ではなく、長い目で成長を見守る方針を示している。少なくとも今シーズンはプレミアリーグの水に慣れる試用期間として、飛躍のための土台を築く...。ヴェンゲルはそんな青写真を描いているはずだ。

[ 「リョウを気に入っている」 ]
宮市にとって何より心強いのが、ヴェンゲル監督の存在だ。英語で分からない場合は日本語での直接指導がアルという。
【期待の視線を注いでいるのは、チームメイトも同様だ。
リョウの事は凄く気に入っている。努力を惜しまず、ボールテクニックも十分。ドリブルも大きな武器だ。僕は100㌫、彼がここで素晴らしいキャリアを築いて行くと確信している
 そう称賛するのは、新キャプテンのロビン・ファン・ペルシだ。スピード自慢で持ち味が宮市と似通い、ポジションを争うライバルとも位置付けられるセオ・ウォルコットも、
「自分らしさを追求して欲しい」
 とエールを贈る。
 宮市が持つ大きな才能は、「荒削りな印象はあるが、ポテンシャルの高さは十分に感じられた」と評した『デイリー・ミラー』紙のジョン・クロス記者の言葉からも分かる。シュルーズベリー戦を取材したクロス記者は、
スピードがあって、テクニックもある。ディフェンスに戻るディシプリンも確認できた。個人的な考えでは、プレミアリーグで通用する素質はアルと思う。声援の大きさでファンの期待も分かったし、悪くないデビュー戦だった
 と好意的な印象を語った。大手通信社『プレス・アソシエーション』のジム・ファン・ヴィーク記者も、
オランダでのプレーも見ていたが、スピードとインテリジェンスを兼ね備えた、優秀なアタッカーという認識は変わらない。チェンバレン(今夏に加入した18歳のイングランド人ウイング)同様、磨けば光る逸材だ
 と、近い将来の活躍に期待を寄せている。最も、コンビネーションやコミュニケーションが深まれば、近未来と言わず今シーズン中に驚きを提供する可能性もあるだろうが、クロス、ファン・ヴィークの両記者とも、
カーリングカップを中心に実戦経験を積み、まずはイングランド特有の展開の速さに慣れるべきだ
 と口を揃え、当面は基礎固めに集中すべきだとの見解で一致する。
 宮市の成長に、ヴェンゲル監督が大きな役割を果たして行くことは、言うまでもないだろう。人材育成に長ける指揮官は、これまで幾多の若手をトッププレーヤーに育て上げて来た。現在のスカッドを見ても、ウォルコット、アレクサンドル・ソング、アーロン・ラムジー、キーラン・ギブス、そしてジャック・ウィルシェアが、大きく羽ばたいている。
 宮市にとって何より心強いのは、ヴェンゲルが“日本通”だということだ。名古屋グランパスの監督時代に覚えた日本語のフレーズを駆使して、トラップの仕方や身体の入れ方など、直々に指導して行く考えだという。宮市は非常に恵まれた環境に身を置いているだろう。
プレミアリーグはそんな簡単に通用しないと感じていますし、そうあって欲しいと思っています。将来的にアーセナルの主軸として活躍できるよう、そこを目指してやって行きたい
 デビュー戦を終えた宮市は、目を輝かせながらこう決意を述べた。栄光までの道のりは、長く入り組んだ永遠の坂道。18歳の挑戦が、今、ここに始まった。



《ワールドサッカーダイジェスト:2011.10.20号_No.349_記事》
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欧州活字メディア事情_第1回:イングランド編 [世界のサッカー事情]

[サッカー][目] [耳]
フットボールの知りたいを知る 大国別のメディア・カルチャーを徹底解明
国によってサッカー報道の在り方は様々だ。サッカーが生活に深く根付く伝統国であればあるほど、情報を求めるファンのニーズは多種多様だろう。果たして、欧州大国における活字メディアの実態とはどのようなモノなのか。第1回はサッカーの母国、イングランドだ。

[ 一部40円で買える『大衆紙』 ]
選手達は労働階級層の出身者が多いため、高級紙の読者は殆どいない。タイムズ読者のランパードは希少な存在。
サッカーの母国であるイングランドは、全国民がサッカーファンとも言えるお国柄だが、専門誌の数は意外に少ない。低年齢層向けの数誌を除けば、『 Four Four Two (フォー・フォー・ツー)』など、片手で数えられる程度の数だ。試合のテレビ中継はほぼ、有料衛星局であるスカイ・スポーツの独占状態で、誰もが観戦できるわけではない。ネット上のサイトはニュース的な『 Soccer net.com 』から、データ収集者向けの『 Soccerbase.com 』まで多種多様だが、アクセスしたい時にアクセスできるとは限らない。例えば、通勤・通学中にチェックしようと思っても、ロンドン市内の地下鉄は携帯電波の圏外なのだ。
 そうした事情もあり、サッカー好きな国民の情報源として定着しているのが、20の全国紙を初めとする新聞である。日刊紙は平日でも10ページ前後をスポーツに割き、その大半がサッカーのネタで埋まる。ゲームのプレビューやレポートで更にボリュームが増える週末には、見開きで選手や監督のインタビューが掲載されることも珍しくない。週刊ペースに換算すれば、その情報量は専門誌にも引けを取らない。つまり、愛読誌ならぬ「愛読紙」が存在するのだ。
 国民の愛読紙は「高級紙」と「大衆紙」に二分される。インテリ層やビジネスマンが手に取る高級紙では、『タイムズ』が有名だ。活字好きとは言い難く、かつ労働者階級層の出身者が多い選手の中に、保守的な高級紙の読者は殆どイナイが、私立校で義務教育を受けたフランク・ランパード(チェルシー)は、貴重なタイムズ愛読者のひとりだ。イングランド代表入りした当初は、朝食時にタイムズを読む姿が他クラブの選手達を驚かせた。世界のメディア王ことルパート・マードックの傘下にある同紙は、最大手だけに情報入手経路の数も内勤者の数も豊富。クラブ財政や移籍市場など、数字を扱う記事は充実しており、データの確度も高い。
 但し、高級紙のナンバーワンは『デイリー・テレグラフ』だ。執筆陣には、かつてアーセナルとイングランド代表でCFを務めたアラン・スミスがおり、1980年代にCBとしてリバプール黄金期を支えたアラン・ハンセンのコラムも好評。ハンセンは、BBCテレビが誇る伝統のハイライト番組『マッチ・オブ・ザ・デー』でもレギュラーを張る、人気のご意見番だ。2番手は、政治的には左寄りの『ガーディアン』。匿名の現役選手が週替わりで舞台裏を赤裸々に語るコーナーは異色で人気だ。ストーリー風の記事が多い国内紙の中で、デイビッド・プリート(元トッテナム監督)による戦術コラムを掲載している点も特徴と言える。
 カタや大衆紙は、その名の通り庶民の新聞だ。『サン』、『デイリー・ミラー』、『デイリー・メール』のトップ3は発行部数で高級紙を遥かに凌ぐ。この3紙は、日曜紙としても最大級。この夏、電話盗聴事件を切っ掛けに廃刊となった『ニューズ・オブ・ザ・ワールド』は、実質的に『サン』の日曜版だった。同紙に代わって現在、日曜紙トップの座を争っているのは、『サンデー・ミラー』と『メール・オン・サンデー』だ。
 人気の秘密は価格の安さ。平日発売の『サン』は、高級紙の3分の1以下の30ペンス(約40円)で買える。それでいて月曜版には、スポーツ面の他にプレミアリーグから4部リーグまでをカバーした、30ページ前後の別冊レビューが付いて来る。また、「タブロイド版」と呼ばれるコンパクトなサイズは、折り畳まなくても読み易く、新聞片手にスタジアム入りしても苦にはならない。
 そして何より、話題優先の姿勢が庶民の心をくすぐる。芸能ネタが一面を飾ることは日常茶飯事で、“セレブ”の一員としてサッカー選手も頻繁に登場する。例えば、不況の国内で大々的なデモが行なわれた7月のある日、『デイリー・スター』の一面には、ピーター・クラウチ(ストーク)の花婿姿がアッタ。コラムニストにも、『サン』がハリー・レドナップ(トッテナム監督)とイアン・ライト(元アーセナル)、『デイリー・ミラー』がロビー・サベージ(元ブラックバーン)と、歯に衣を着せぬ物言いで評判の人物が起用されている。選手のコメントを多用した記事も多く、外国人にも読み易いと評判だ。

[ サッカー記者は大衆の人気者 ]
長い歴史の中で、地域毎に深く根付いたサッカー文化がある。ご当地新聞と言うべき地方紙の人気も高い。
記者陣の質の高さは、大衆紙も高級紙も共通だ。国内では度々、作家や映画監督などの文化人が、活字文化衰退の例外として、“フットボール・ジャーナリスト”の手による日々の作品に言及している。記事のクレジットには顔写真も掲載されるのが通例であることから、各紙の花形記者は、ちょっとした有名人。試合前後にはテレビやスポーツ専門のラジオ局『トーク・スポーツ』などのレポーターから、マイクを向けられることも珍しくない人気者なのだ。
 チケットを買わずにサッカー観戦ができる上、世間の認知度まで伴うのだから、国民がサッカー記者を「憧れの職業」として挙げるのも頷ける。大手新聞社で公募があれば、1枠に千人単位の応募が殺到するという。最も、記者のキャリアは長く、門戸は狭い。66年ワールドカップのイングランド優勝をリアルタイムで取材したブライアン・グランビル記者は、重鎮として80歳になる現在も、『サンデー・タイムズ』上でトレードマークの鋭い試合評を披露している。
 そして、地方には「地元のグランビル」が存在する。全国紙では記者のヘッドハントもあるが、地方紙では、番記者歴ウン十年のベテランが地元クラブを追い続けている例が多い。4部リーグでさえ、昨シーズン平均で4千人超の観客を動員する国だけに、局地的なニーズも高いのだ。マンチェスター近郊の町、オールダムの地元紙などは、メディア嫌いで有名なポール・スコールズ(元マンチェスター・U)の独占インタビューに成功したこともある。オールダム・アスレティック(3部)のファンであるスコールズを相手に、地元コネクションの成せる業だった。極め付けは『ノンリーグ・ペーパー』。セミプロ以下(5部リーグ以下)に特化した週刊の「専門紙」は、なんと4万部前後を売り上げる。イングランドの新聞は、プレミアから草の根まで、サッカー文化の重要な一部なのだ。



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Monologue of the hero_NUMERO:2 [ダイジェスト特別版]

[サッカー][目] [耳]
「久々にバルセロナの秋を満喫中さ!!」
先月スタートしたセスク・ファブレガスの月1連載。今回は、スペイン国内でも大きな注目を集めているバルサの新システムに関する話から、自身のヘアスタイル、親友ピケとのエピソードなど、話題は多岐に渡っている。

[ 挑戦し続けることが大切 ]
【みんな、こんにちは!! 元気に過ごしてイルカイ? 僕の方は、シーズンが始まって1カ月が過ぎ、ようやく試合を中心とした生活に慣れて来たところさ。みんなは知っているかな、僕がリーガの2節以降の4試合で4ゴールを決めたって事を。個人的には、このうえない素晴らしいスタートが切れたと思っているよ。
 ただ、チームの方も絶好調かというと、必ずしもそうでは無い。実際、3節のR・ソシエダ戦と5節のバレンシア戦、それからチャンピオンズ・リーグ(以下CL)のミラン戦は引き分けに持ち込まれている(スコアは3試合とも2ー2ー)。ミラン戦は未だ、僕らが試合を完全にコントロールできていたから良かったけど、リーガの2試合ではね...。かなり危ない時間帯もあったんだ。
 開幕前は、誰もが「優勝争いはバルサとマドリーの一騎打ちになる」と予想していた。おそらく、最終的にはそうなるだろう。でも、そこに辿り着くまでは、本当に気の抜けない試合が続く。マドリーは4節でレバンテに敗れ、5節のラシン・サンタンデール戦もスコアレスドロー。僕らも全てに試合に勝てているわけでは無い。
「目に前の試合に集中するだけ」
 これって、よく耳にする言葉だし、ありきたりなコメントだと思われてしまうかも知れないけど、激しい競争を強いられるこのフットボールの世界を知れば、それが本心から出た言葉だって事を理解してもらえるはずだ。
 いや、フットボールの世界に限った話では無いかも知れないね。学校のテストだって、一度良い点を取ったからといって気を抜いてしまえば、たちまち点数は下がってしまう。大変なことだけど、挑戦し続けなければ、常に良い結果を得ることは出来ないんだ。

[ 3ー4ー3はもっと良くなる ]
【今スペインのファンやメディアの間では、僕たちが最近使っている3ー4ー3システムが話題になっている。
 みんなが騒ぐのは、理解できるよ。そもそもCLを制したチームが、直後のシーズンでシステムを変更するなんて、あまり聞いたことが無いからね。
 でもバルサは、敢えて新システムの導入に踏み切った。それは、勝利し続けるためには進化が必要だと、ペップ(グアルディオラ監督の愛称)自身が判断したからに他ならない。
 僕たち選手は、この新システムに手応えを感じている。そもそもポゼッションをベースとしたスタイルは変わっていないし、実は子供の頃から慣れ親しんで来たシステムでもあるんだ。
 もっと具体的に言うと、3ー4ー3というより3バックでプレーすることに、バルサで育った選手達は慣れている。DFだけじゃなく、攻撃の選手やGKも含めた全員がね。
 スペインでは少年時代に、7人制のフットボールを経験する。バルサで採用されるのは、GKの前に3人、中盤にふたり、前線にひとりを置く3ー2ー1システム。ここで僕たちは、3バックのノウハウを学ぶんだ。
 勿論7人制だから、ゴールを奪うためには、3人がずっと守備をしているわけにはいかない。ひとり、あるいはふたりが、チャンスを作るために前に出ることになる。
 DFの選手は、ここで効率良く攻撃に参加する方法を学び、その他の選手達もグループで攻撃することの大切さを勉強する。ボールを持った選手は誰を最初に見るべきか、パスを受ける側の選手はどういうポジショニングを取る必要があるのか。そこには、様々な約束事やパターンがある。常に最適のプレーを選択するのは簡単ではないけど、これが慣れて来ると凄く楽しくてね。だって、ひとつのボールを運ぶために7人全員が頭を働かせ、上手くいけば、美しい攻撃とゴールがうまれるんだから。
 この7人制、バルサでは全選手に全てのポジションを経験させている。そうやって、仲間がどう動こうとしているのか、自分はどう動くべきなのかを理解できるようになるからだ。僕も中盤だけじゃなく、DFやFWもこなしたけど、当時の経験はプロになってからも役立っているよ。
 3ー4ー3システムでプレーする時の僕の役割は、中盤でボールを捌いたり、レオ(メッシの愛称)を追い越してペナルティーエリア内に入ったり、サイドのスペースをカバーして守備をしたりと様々。そうやって複数のエリアでプレーするのは、バルサがピッチ全体を使い、グループとしてボールを保持することに最もプライオリティーを置いているからなんだ。
 ロングボールを蹴り続けるチームであれば、FWの選手は前線に残ってそのエリアだけでプレーした方が効率が良いけど、バルサではそうはいかない。全ての選手がポジションに捉われず、ボールを動かすために必要なスペースを使ったり、作ったりしながらプレーしなければならないんだ。
 子供の頃からバルサでフットボールを学んで来た選手がトップチームに数多くいるからこそ、3ー4ー3という新しいシステムへの対応がスムーズだったのは間違いない。個々のコンディションが今後上向けば、このシステムは更に機能するようになるだろうし、今よりも更に良いプレーが見せられるんじゃないかな。】

[ 恐いのはピケのイタズラ ]
【ここで嬉しいニュースをひとつ。怪我で暫く戦列を離れていた親友のジェリー(ピケの愛称)が、この前のアトレティコ戦(9月24日)でついに復帰したんだ。今後はバルサでも代表でも、遠征の時には彼が僕のルームメイトになるだろうね。
 普段はイタズラばかりしているジェリーだけど、今回ばかりは彼の存在の大きさを改めて思い知らされたよ。だって、彼の復帰と同時にチームにはユーモアと明るさが戻り、プレーの面でも最終ラインから正確なボールが供給されるようになったんだからね。
 そうそう、僕は今そのジェリーからある“注文”を受けているんだ。それは、僕のヘアスタイルについて。兎に角、髪を切れ、髪を切れってうるさくてね。ジェリーは最近、トレードマークのツンツンに立てた前髪をバッサリ切り落としたんだけど、僕にも同じヘアスタイル・・・坊主頭・・・にしろってしつこく言ってくるんだ。
 勿論、断ってるよ。僕は今髪を伸ばしているところでね。最近はずっと短くしていて、伸ばすのはおよそ5年ぶりの事なんだけど、「もう限界!! 」っていうところまで伸ばしてみようと思っているんだ。
 でも髪の毛って、ある日突然バッサリと切りたくなる時があるんだよね。あの切った後の爽快感が好きなのもあるし、単純に気分転換をしたくて切る時もある。だから今回も、一応伸ばしてみようとは思っているけど、志半ばで断念する可能性があることもお伝えしておくよ。
 気を付けなければいけないのは、遠征先でジェリーが、僕が寝ている間に“あり得ないイタズラ”をしでかすかも知れないって事だ。ルームメイトの髪を切るくらいのイタズラは、平気でやってのける男だからね。本当に恐ろしいヤツだよ(笑)。
 さて、10月には今シーズンの最初の重要な山場がやって来る。リーガにCL、そして代表戦とスケジュールはより過密になって来るし、対戦相手は僕らのプレースタイルを更に研究し、対策を錬って来る。また、僕らと同様、ライバルのコンディションも徐々に上がってくる時期だけに、ゲームの内容はこれまでにも増して激しいモノになるだろう。
 まあ、バルサでも代表でも定位置を確保しているとは言えない僕にとっては絶好のアピールチャンスだけに、モチベーションは高まっているよ。
 ただ、こういう時こそ気を付けなければいけないのが怪我だ。これまでも、心身の状態が上向いている時に怪我をしてしまうことが、何度かアッタからね。選手にとって、好調時に戦列を離れなければならないほど、辛いことはない。
 だから今シーズンは、怪我で離脱する回数を減らすことも、個人的な目標のひとつにしていて、トレーニングが午前中で終わった日は、パーソナルトレーナーと一緒に、コンディションを管理するエクササイズにも取り組んでいる。開幕からここまで調子が良いのも、それが実を結び始めているからだって、自分ではそう信じているよ。
 それにしても、バルセロナで秋を過ごすのは、本当に久し振り。今は自由な時間を最大限に利用して、秋の風景を楽しむようにしているんだ。
 ロンドンに比べると陽射しは少し強いけど、この何日かでそれもチョットずつ和らいで来て、過ごし易い日が続いている。
「ロンドンは雨が多くて気が滅入る」
 なんていう人もいるけど、僕はそういうことはあまり感じなかった。きっと、ロンドンでの生活をしっかりエンジョイできていたからだろうね。そして今は、バルセロナでも同じように日々の生活を楽しむことが出来ている。
 幸運にも、僕の周りには常に良き友達がいて、彼らが僕の人生を楽しくしてくれている。どこに行っても、楽しくリラックスして過ごせるっていうのは本当に幸せなことだよ。
 だから、そういう人達に喜んでもらうためにも、僕はピッチの上でもっと良いプレーを見せたいと思っているんだ。日本のみんなにも、僕らのプレーから、フットボールの面白さや素晴らしさを少しでも感じてもらえたら、こんなに嬉しいことはないよ。



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山下英希×ミスターX 1日たった1回。10分間の取引で1億円を稼ぐ!10min225 [インフォカート]

山下英希×ミスターX 1日たった1回。10分間の取引で1億円を稼ぐ!10min225

投資市場の持つ本当の魅力について、誰も本当のことを言わないので私達がバラしてしまおうと思います。
「お金なんていらない。」ならこのページは見ないことをお勧めします。
この手紙でお伝えする事実はたった3つです。
1.我々が億を超える金額をある市場で稼ぎ続けていること。
2.その方法は1日たった1回。毎朝10分間で完結すること。
3.そしてこの手法は誰がやっても同じ結果になること。
つまり、あなた自身も億を超える金額を手にすることが出来ていた。
という現実をこの手紙であなたは突きつけられる事になる訳です。




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知らなきゃソンする 世界のサッカー情報が満載!!_349-5) [知らなきゃソンする 世界の]

[サッカー][目] [耳]
349-5)自宅への放火容疑で逮捕...GERMANY

[火の手が回った自宅は、ご覧の通り。本当にブレーノが犯人だとすれば、心の傷は相当に深い...]
 まさに寝耳に水の話だろう。9月24日、バイエルンブラジル人DFブレーノが、ミュンヘン市内にある自宅への放火容疑で逮捕されたのだ。
 事の発端は、ブレーノ宅が火事で全焼した19日。夫人と子供こそ外出中だったが、煙を吸い込んだブレーノは、直ぐさま病院へ搬送された。命以外の殆どを失った彼に対し、誰もが同情を寄せたが、しかし、出火元を調べていた捜査当局は、なんとブレーノを放火犯として特定。身柄確保に至ったのだった。
 実は以前から心の病を抱え、心理カウンセラーの診療を受けていたというブレーノ。2008年1月のバイエルン入団から伸び悩んでいた事実が、あるいは21歳の青年にとっては重圧となっていたかも知れないが、不安定な精神状態が引き金となり、奇行に及んだとの見方が強い。
 他にも様々な憶測が飛び交い、現在も事情聴取中と、家族やファン、チーム関係者には気が気でない状況が続いている。かつて「天才」と称されたバイエルンのセバスティアン・ダイスラーが、鬱病や度重なる怪我に苦しみ抜いた末に、27歳の若さで引退した話は有名だが、果たして、ブレーノは再びピッチで勇姿を見せてくれるだろうか。



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知らなきゃソンする 世界のサッカー情報が満載!!_349-4) [知らなきゃソンする 世界の]

[サッカー][目] [耳]
349-4)“新米パパ”に別の恋人が?(BRASIL)

[長女誕生から間もなくして新恋人が浮上しているネイマール。既に国内随一のスター選手であり、“甘い誘惑”は相当多そうだが...]
 8月末に17歳の恋人カロリーナさんが長女(ダビ・ルカちゃん)を出産し、19歳にしてパパになったブラジルの新星ネイマールにスキャンダルが。別の恋人が出来たというのだ。
 ブラジル・メディアによると、お相手は『プレイボーイ』誌の表紙を飾った経験もある25歳のセクシーモデル、アナマラさん。ナイトパーティーでディープキスをしていたり、街中を仲良く歩くシーンが目撃されているという。アナマラさんは「ただの良い友達。親密に付き合ってるけどね」と意味深な発言をしている。
 ネイマールとカロリーナさんは結婚しておらず、欧米で良くあるいわゆる“未婚のパパ&ママ”で、今回の一件は“浮気”とも“不倫”とも断言しづらい。
 ただ、ネイマールはアナマラさんと交際をスタートさせたのは、カロリーナさんが妊娠中だった約5カ月前とも...。今やブラジル国内でナンバー1の人気を誇るネイマールが、株価を大きく落としたのは間違いない。



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知らなきゃソンする 世界のサッカー情報が満載!!_349-3) [知らなきゃソンする 世界の]

[サッカー][目] [耳]
349-3)テベスが途中出場を拒否?(ENGLAND)

[サポーターはこの一件に激怒しており、テベスがマンチェスターに戻った際には護衛を必要とするほどの緊急状態に。果たして、事の真相は?]
 カルロス・テベスのマンチェスター・Cでの冒険が、風前の灯と化している。今夏に退団希望を公言しながら、高額の年俸と移籍金が障害となって本人の意に反してクラブに残留していたため、不満分子と化す危険性を懸念する声も少なくなかったが、まさにその通りの展開となってしまったのだ。
 事件が起きたのは、敵地に乗り込んだ9月27日のバイエルン戦(CLグループステージ2節)。前半に2失点を喫したマンチェスター・Cのロベルト・マンチーニ監督は、反撃のため、後半途中にテベスを投入しようとする。ところが...。
「テベスはピッチに入ることを拒否した。彼はスタメンから外れて落ち込んでいたが、ダカラといってこんな真似は絶対に許されない。(14年までの)契約が解消されるかどうかは、現時点では分からない。確かなのは、彼は二度と私のチームでプレーすることは無いということだ」
 試合後、マンチーニ監督はそう怒りを露にし、翌日にはクラブがテベスに2週間の謹慎処分を科している。
 当のテベスはベンチが非常に混乱しており、出場拒否は誤解だと語っているが、クラブは謹慎処分中に事の真相を解明するつもりだという。複数のメディアは既に、来年1月のマンチェスター・C退団が決定的だと報じている。



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知らなきゃソンする 世界のサッカー情報が満載!!_349-2) [知らなきゃソンする 世界の]

[サッカー][目] [耳]
349-2)ロベカルが選手兼監督に!!(RUSSIA)

[元からアドバイザー的な役割も担っていたロベカルだが、今後は監督も兼務。選手を含めて「三足の草鞋」に]
 この夏にインテルからサミュエル・エトーを獲得し、大きな話題を集めたロシアのアンジが、またしてもビッグサプライズを提供した。9月29日、リーグ戦を5試合残してガジ・ガジエフ監督を解任し、残りのシーズンの指揮をDFロベルトカルロスに託すと発表したのだ。リーグ戦では7位と中位から抜け出せず、9月22日には国内カップ戦の準々決勝で敗退と、今夏の大型補強の成果が一向に現われないことに業を煮やし、クラブが英断を下した格好だ。
 今年2月にアンジと電撃契約を結んだR・カルロスは、今後もプレーは続行。いわゆるプレーイングマネジャーとしてチームの指揮を執ることになる。今シーズン一杯の暫定政権と見られ、来シーズンにはまた選手専業に戻る模様だが、当の本人はやる気満々だ。
「新しい挑戦にワクワクしているよ。会長と来シーズンの補強についても話をするつもりさ。そうだな。ランパード、ジェラード、ピレスあたりが欲しいね」
 引退後には会長になりたいと息巻くブラジルの英雄は、果たしてどんな采配を見せてくれるのだろうか。



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知らなきゃソンする 世界のサッカー情報が満載!!_349-1) [知らなきゃソンする 世界の]

[サッカー][目] [手(グー)]
349-1)器の大きさを見せたランパード(ENGLAND)

[駐車場に人影はなく、ユース選手は逃げることもできたらしいが、正直に告白。ランパードはこれに感銘を受け、軽罰で大目に見た]
 人間としての器の大きさを見せたのが、フランク・ランパードだ。
 9月中旬のある日、練習を終えてコプハム(チェルシーのトレーニング施設)を去ろうとしたランパードの前に、あるユース選手が現れ、顔をクシャクシャにして涙ながらにこう告白した。
「申し訳ありません!! ボールを直撃させてしまい、車を壊してしまいました。修理代は自分がなんとかします。どうか、クラブから追い出さないでください」
 ランパードがこの日乗っていた車は13万ポンド(約1800万円)もする英国製の高級車アストンマーティンで、修理代が1万5000ポンド(約210万円)もかかるほどの破損状態だったという。
 故意ではないにせよ、激怒されてもやむを得ない状況ダ。しかし、ランパードはユース選手が正直に告白して来た事実に感銘を受け、優しくこう語りかけた。
「修理代なんか気にするな。頑張ってトレーニングに励めよ」
 そして、ピッチを全力で6周、ロッカールームで応援歌熱唱&監督のモノマネという軽罰で許してやったという。
 アストンマーティンの1台分以上の金額を1週間で稼ぎ(週給は15万ポンド=約2100万円)、他にもベンツアウディフェラーリなど何台もの高級車を所有しているとはいえ、なんとも心が広いランパード。一流の選手は、人間としても一流なのだ。



《ワールドサッカーダイジェスト:2011.10.20号_No.349_記事》
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INTERVIEW:ビルバオの 未 来 [INTERVIEW]

[サッカー][目] [耳]
イケル・ムニアイン(アスレティック・ビルバオ/スペインU‐21代表)_1992-12-19:生
バスク純血主義を貫く古豪アスレティック・ビルバオに久々に現われたクラック候補生、イケル・ムニアイン。小柄ながら、堂々とした態度と圧倒的なボールスキルで攻撃陣を支え、ファンを熱狂に誘う18歳は、まさしく「ビルバオの未来」と呼ぶに相応しい逸材だ。

デビュー戦のあの感動が 今も忘れられない
フリオ・サリーナス(以下フリオ): やあ、クラック!! 忙しいのに悪いな。
イケル・ムニアイン(以下ムニアイン): 平気だよ。うわ、これが雑誌!? 写真集みたいに綺麗なんだね。日本語が分からないのが残念だよ。
フリオ: 俺がインタビュアーを務めるこのコーナーには、毎回リーガのクラックに登場してもらっているんだ。それこそ、ロナウジーニョやメッシといったスーパースターも出ているんだぜ。
ムニアイン: へぇ〜。アスレティック(ビルバオ)の選手は?
フリオ: 何人かいるよ。ウルサイスだろ、ジェステだろ、ジョレンテだろ、後、この前はハビ(マルティネス)にも楽しい話を聞かせてもらったよ。
ムニアイン: フリオがインタビューをしに来るってチームメイトの何人かに話したら、「ワールドサッカーダイジェストとかいう、日本の雑誌の取材だろ」って、アイトール(オシオ)が。リーガの選手の間ではかなり有名らしいね、このコーナー。どれくらいやってるの?
フリオ: う〜ん、4〜5年かな? いや、もっとか? なんせ、ウルサイスが出ているくらいだからな(編集部・注:連載が始まったのは2002年10月)。
ムニアイン: 長いんだね。本当に日本語が読めなくて残念だよ。
フリオ: まあ、写真だけでも十分に楽しめるから、編集部から本が届いたらプレゼントするよ。おっと、忘れるところだった!! このカバ(CAVA=スペインのカタルーニャ地方で生産されたスパークリングワイン)も、良かったら貰ってくれ。俺が作っているヤツなんだ。いろんなクラブや選手をモチーフに、蓋の部分をデコレーションした特別なボトルで、これはアスレティック仕様。沢山ゴールを決めて、これで祝ってくれよ。
ムニアイン: ありがとう!! 手土産なんかなくても、フリオの質問にはいつだってちゃんと答えるのに(笑)。
フリオ: ハハハ、ありがとよ。じゃあ、そろそろ始めるか。12歳なんだってな、イケルが故郷のナバーラを離れてレサマ(ビルバオの下部組織の呼称)に入ったのは。
ムニアイン: そうなんだ。両親や友達と離れての寄宿舎生活が、最初は物凄く辛くてね。
フリオ: その年齢だと、家が恋しくて泣いた日もあったんじゃないか?
ムニアイン: ちょっと落ち込んだりして、夜にこっそり泣いたことはアッタよ。ただそれでも、レサマから出て行こうと思ったことは一度もなかった。僕には「アスレティックでプロの選手になる」っていう目標がアッタからね。
フリオ: 当時はオサスナからも誘いを受けていたんだって?
ムニアイン: うん。でも僕は、元々アスレティックに惹かれていたからね。
( ー 中 略 ー )
フリオ: そういえば、バルサもイケルの獲得を狙っていたっていう話を、どこかで聞いたな。
ムニアイン: それも僕がここに来る前の話さ。バルサのスカウトが近付いて来たことは、確かにアッタ。彼らがどこまで真剣だったのかは分からないけど、興味は抱いてくれていたみたいだね。ただ、サッキも言ったように、僕はアスレティックに行くって決めていたから、迷いはなかったよ。
フリオ: 今後バルサからオファーが届いても、やはり断るのかい?
ムニアイン: う〜ん、先の事は分からないな。僕はここで満足しているし、自分がみんなから凄く愛されていると感じてもいるけど、まったく出番を与えて貰えなければ、僕だって移籍を考えることはアルだろうからね。
フリオ: イケルはいろんな最年少記録を持っているよな。アスレティックの最年少デビュー記録(16歳7カ月と11日)と最年少得点記録(16歳7カ月と18日)、それからリーガの最年少得点記録(16歳と289日)もそうだ。自分の中でもっとも印象に残っているのは、どの記録?
ムニアイン: やっぱり、アスレティックの最年少デビュー記録かな。幼い頃からの夢が叶った瞬間だったわけだからね。あの感動は、今でも忘れられないよ。
フリオ: 周囲の選手より、いろんなことが早く進んでいくこの状況を、どう受け止めているんだい?
ムニアイン: 確かに僕は、18歳らしからぬキャリアを築いている。でも、それを不安に思う必要はないと思うんだ。人より少しだけ優れた才能を持って生まれて来て、運良くそれを活かすチャンスに恵まれた。ならば遠慮などせず、自分にできる限りの事をやってやろう。今はそれくらいの気持ちでプレーしているよ。
フリオ: パッチが言っていたよ。イケルは14歳の時、既に他の選手とは異なるオーラを放っていたって(訳者・注:パッチはサリーナス氏の実弟。元スペイン代表DFで、A・ビルバオのユースカテゴリーでムニアインを指導した経験を持つ)
ムニアイン: いや、僕の才能を正しく評価してくれる、パッチのような良き指導者に巡り合えたことが大きかったんだよ。後は、僕をトップチームに引き上げてくれたホアキン・カパロス(前A・ビルバオ監督)とかね。】

バルサのチアゴはきっと 時代を象徴する選手になる
●トップチームで迎える3年目のシーズン。未だ18歳とはいえ、攻撃の中盤を担うムニアインは、ビエルサ新監督も厚い信頼を寄せる。
●今夏はUー21欧州選手権の優勝に貢献。各クラブの積極的な若手起用が、代表の成功に繋がっていると分析する。
フリオ: イケルはフォワードでも中盤でもプレーできて、サイドも中央もこなせるけど、最も得意なポジションは何所なんだい?
ムニアイン: 最前線と2列目を自由に行き来できるトップ下が、個人的には一番やり易いかな。ただね、僕はポジションを選ばないって、いつも周囲に言っているんだ。今はいろんなポジションを経験する時だと思っているし、トップ下にこだわるより、監督に命じられたポジションで最善を尽くす努力をすべきだと思っているからね。
フリオ: そういえば、イケルは事あるごとにバルサのチアゴ(アルカンタラ)を絶賛しているよな?
ムニアイン: そうだね。各年代のスペイン代表で一緒にプレーして来たチアゴとは、凄く仲が良いんだ。それに彼は、素晴らしい才能に恵まれた真のクラックでね。これは僕の予想だけど、彼はこの先更に成長して、シャビのように、ひとつの時代を象徴するような選手になるはずさ。
フリオ: それにしても、スペイン代表は一体どうしちゃったんだろうな。勿論、今のこの隆盛ぶりを嘆いているわけではないよ。でも、勝てない時代を知るというか、そのど真ん中にいた俺達としては不思議で仕方がないんだ。スペイン代表が世界の流行みたいになってるし、それこそチアゴやイケルのような優れた才能が、次々に育って来る。こうなったのは、何が切っ掛けだったんだろう。
ムニアイン: 僕は、各クラブが下部組織で良い仕事をして来た結果だと思っている。それから、この僕が良い例だけど、昔に比べて若い選手にチャンスを与えるクラブが増えているよね。そうした動きがスペイン・フットボール界の裾野を広げ、有能な人材が育つようになったんじゃないかな。
フリオ: バルサとマドリーの一騎打ちになるだろうと言われているリーガのタイトル争いについてはどう思う?
ムニアイン: 実際、そうなると思うよ。リーガは競争の激しいリーグで、それは上を狙うチームにとっても残留を目指すチームにとっても同じ。でも、バルサとマドリーが他の18チームをあらゆる面で引き離しているのは事実だよ。
フリオ: イケル自身の目標は?
ムニアイン: いや、個人的な目標は何も設定していない。チームのために最善を尽くすことだけが、フットボーラーの使命だと思っているからね。チームの目標は、やっぱりヨーロッパ・カップ戦の出場権獲得って事になるのかな。まあ、若いチームだけど、ポテンシャルは高いと思っているよ。
フリオ: バスク人のみでチームを構成するというアスレティックの伝統は、今後も守られるんだろうか。
ムニアイン: この哲学は世界でも唯一無二のモノだし、僕らはこのコンセプトに誇りを感じている。クラブが存在する限り、守り続けて欲しいね。
フリオ: アスレティックは今、新しいスタジアムを建設中だけど、イケルの記念すべきチャンピオンズ・リーグのデビュー戦が、その新スタジアムだったら最高じゃない?
ムニアイン: 悪くないね。模型を見る限り、かなり素敵なスタジアムが出来上がりそうだし。でも、新スタジアムが完成するのって、2015年とかじゃなかった?(笑)
フリオ: ハハハ、ちょっと先過ぎたか。今シーズンのチャンピオンズ・リーグは、ズバリどこが勝つと思う?
ムニアイン: 何が起こるか分からないのがフットボール。ただ順当に行けば、今シーズンもバルサじゃないかな。彼らは本当に強いからね。
フリオ: これまで対戦して来た中で、最もやり難さを感じたリーガのディフェンダーは誰?
ムニアイン: ダニ・アウベスとセルヒオ・ラモス。この二人は兎に角しつこくてね。いくら振り払っても、必ず食らい付いてくるんだ。
ELでパリから完勝(2ー0)を収めるなど、チームの調子は確実に上向いている。序盤の出遅れ分を早く取り戻したい。

課題はミスを減らすこと それに尽きるだろうね
フリオ: そろそろ、プライベートに関する質問もいいかな? イケルだって、日本のみんなに素の自分を知ってもらいたいだろ?(笑)
ムニアイン: まあね、でも程々に頼むよ。
フリオ: 彼女はいるのかい?
ムニアイン: えっ、いきなり!?
フリオ: いる?
ムニアイン: うん、いるよ。
フリオ: あれか、フェイスブックにアップされていたイビサ島でのバカンスの写真に写っていた、あの彼女か?
ムニアイン: その通り。よくチェックしているね(笑)。
フリオ: 怖いものは?
ムニアイン: なんだろう、特にないな。死ぬこととかは、ちょっと怖いけど。
フリオ: イケル、それはみんな同じだ。しかも、30歳も年上の俺の前で言うことじゃない(笑)。
ムニアイン: ハッハッハ。後は怪我かな。
フリオ: 怪我か、確かに怖いな。引退後のプランは考えているのかい?
ムニアイン: 基本的には現在の事だけを考えるようにしているんだけど、まったくノープランって訳でもないよ。今は大学に通いつつ、その一方で、コーチングライセンスを取りに行っているところなんだ。まあ、何か資格を持っていれば、引退後もフットボール関係の仕事に従事できるだろうっていう、軽い思いつきなんだけどね。
フリオ: 現役を退いた後もフットボールと繋がっていたい?
ムニアイン: うん。自分がプレーできなくなっても、フットボールに関係のある仕事には就きたいね。
フリオ: 休みの日とかは何をしているんだい?
ムニアイン: 僕は結構怠け者でね。どちらかというと家でマッタリしたいタイプで、一番好きなのは、友達とプレイステーションをしている時間。その時間は、僕にとってメチャクチャ大切な時間なんだ。
フリオ: ゲームはどんなモノをやるんだい? もしかして、フットボール?
ムニアイン: 勿論。ゲームもフットボール三昧さ。
フリオ: やっぱりそうか(笑)。じゃあ最後に、イケルが今後、克服しなければならないと感じているところがあれば、教えてもらえるかい?
ムニアイン: ミスを減らす。それに尽きるんじゃないかな。
フリオ: 俺からの注文は、「もっとエゴイストになれ!! 」かな。誰かに言われたことないか?
ムニアイン: 確かに、言われたことがあるよ。周囲を見過ぎだ、もっと我がままにプレーしなさいってね。
フリオ: もっとエゴイストになって、ナンバー1プレーヤーを目指してくれよ。今日は忙しいところ有り難う。】
         ◇       ◇       ◇       ◇       ◇
[イケル・ムニアインの取材は、人気の少ないホテルのカフェテリアで、静かに行なわれた。勿論、ファンが殺到し、混乱するのを避けるためだ。 「この街では、本当にみんなから愛されているって事を実感できるんだ」  確かにその通りかも知れない。エースのフェルナンド・ジョレンテには厳しい目を向けるファンも、イケルに対しては、常に期待を込めたメッセージを送ることが多いのだ。  バスク人のみで構成されているアスレティック・ビルバオという特殊なクラブにとって、才能豊かな若手が育つか否かは、まさに死活問題。それだけにイケルの台頭は、A・ビルバオのサポーターを狂喜させた。当時、カンテラでイケルの指導に当たっていた私の弟パッチ・サリーナスも、興奮気味にこう話していたものである。 「ムニアインという、物凄い天才がいるんだ!! 」  デビュー時代のフェルナンド・トーレスを想起させるようなベビーフェイスの持ち主で、その笑顔には未だあどけなさをたっぷりと残す18歳だが、自分や周囲を取り巻く環境を見つめる目は、まさしく冷静そのものだ。  1㍍69㌢・63㌔の身体は、実際に会うと余りにも小柄で驚かされるが、それがピッチの上ではとてつもなく大きく見えるから不思議なものだ。  少年時代、バルセロナからの誘いを断り、A・ビルバオを選んだイケルには、誇り高きバスクの血が流れている。純血主義を貫くクラブの伝統を守るため、彼は今日も汗を流す。ファンの期待をソノ小さな背中で受け止めながら。
         ◇       ◇       ◇       ◇       ◇



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